執筆者について
 sweetsやわらさん

レシピ1
  《桜味噌の浮島》



レシピ2
  《栗蒸し羊羹》



レシピ3
  《スィートポテトしぐれ》

お茶あるところにお茶菓子あり


レシピ3《スィートポテトしぐれ》

  いつのまにか日が落ち始める。屋根の向こう側の空が、冬の訪れを静かに教えてくれる。 都会の中では、狭苦しそうに生えている木々。冬枯れクリスマスの時期が近づくと、その木々たちが、私たちの寂しさを吹き飛ばすかのように、精一杯の明かりを身にまといはじめる。そんな事を考えているうちに、近くの商店街に入り込んだ。

 真っ先に目にしたものは、八百屋の今日の目玉とも言える紫いも。ふと、明日はこれを使ってお茶時間にしよう。

 ―次の日―

 昨日の紫芋をしぐれにして、熱いお茶と一緒にいただくことに。

  紫芋を蒸し器に入れ串ですんなり差し込めるまで蒸し上げる。蒸した紫芋を裏ごしきで裏ごし、砂糖と一緒に練り上げる。最後に洋菓子でよく使うバニラエッセンスを数滴たらし、香りを確認したら紫芋餡のできあがり。

  しぐれ生地は、白餡をレンジで水分を飛ばし、そこへゆでた卵の黄身を混ぜ込む。粗熱が取れたら上新粉を加え、耳たぶくらいの硬さになるまで、生の黄身を少しずつ加える。その生地に紫芋餡を包み込む。

  あつあつの蒸気が吹き上げる蒸し器で2分。

  ふたを開ければ感動の一声。くっきりした割れ目の中から、紫芋餡がちらほらのぞいている。熱いうちに取り出すと形が崩れてしまうので、しばしそのまま。スィートポテト風味のしぐれが完成。その間に、煎茶の用意。

  しぐれのせっかくの味、香りをいかすために狭山の煎茶をいただく。いつもより蒸らし時間を短くし、香りではなく色でお茶を決める。

  木の葉型の菓子皿にひょっこりとのせられたしぐれは、かわいいの一言である。見た目の楽しさと、いざ中を割った時の感動と洋風な香りが至福の時を知らせる。

  口に広がるしっとりとして、なおかつ溶けるような舌触りが、濃すぎない煎茶で流される。次から次へとしぐれがなくなる。和菓子を作るということは、一つ一つの素材をいかにいかすことが出来るか。

  今、私は、手間ひまかけてやっと作ったお菓子によって、一番合いそうなお茶と一緒にいただく幸せを実感できた。この満足感を次のお茶時間の意欲を掻き立てる材料となる。

  そろそろ日が落ちてくる。まだ残る胸の温かいぬくもりが、冬なっていく寂しさから守ってくれる。今日もまた、お茶とお茶菓子の素晴らしい効果を知らしめさせてくれたお茶時間であった。

 
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sweetsやわらさん作
「スィートポテトしぐれ」
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