| 執筆者について sweetsやわらさん レシピ1 《桜味噌の浮島》 レシピ2 《栗蒸し羊羹》 レシピ3 《スィートポテトしぐれ》 |
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お茶あるところにお茶菓子あり レシピ1《桜味噌の浮島》 風鈴のしんみりした音色が、夏の暑さに合間を抜き、心地よい風を迎えさせてくれる。 手びねりのグラスの中で、あさぎ色の煎茶が、暑さに耐えかねたのか、とろけて角が丸くなった氷に何度も何度も反射する。 どこそこのお茶、有名産地のお茶かどうかなんて気にしない。渋かろうが、薄かろうがどちらでもかまわない。 私にとって、お茶の味はいくらおいしいお茶と言われても、お茶を淹れていただいた人の味。それはおばあちゃん、おかあさん、友だち、自分、よそ様、みんなそれぞれの味をうまく醸し出す。お茶はその人がその時にあった味を作り出すとともに、次の瞬間を予測させてくれる。 お茶という飲み物があるだけで、お茶時間が始まりお茶菓子がいただける。その瞬間とは、お茶菓子の出てくる瞬間である。まさにお茶あるところにお茶菓子あり。どこか懐かしいそのひと時を、日本人はとても大切な時間として敬う。その場に集まった人たちのそれぞれの気持ちを一斉に同調させてしまう。 そんな不思議な時間を、お茶菓子がさらに素晴らしい時間に変えてくれる。まさにお茶とお茶菓子の相乗効果。このひと時を、私の"お茶あるところにお茶菓子あり"の概念としたい。 この暑さに冷煎茶で一息。のれんの影から 声がする。今日は何のお茶菓子にしようか。 冷煎茶は、さっぱりしたのど越し、苦味が少ない。味気がなくても、その薄さにぴったりのお菓子をいただきたいから、濃い目のお菓子で。 "桜味噌の浮島" 桜味噌は京都の知人からの贈り物。今日はそれを使ってお茶菓子を作ろう。 まず、桜味噌と白餡を練り、桜味噌餡を作る。卵黄と砂糖を白っぽくなるまで混ぜたら、桜味噌餡をいれさらに混ぜる。そこへ卵白を角が立つまで泡立てたメレンゲを半分混ぜ、上新粉、薄力粉をよく振るいながら加える。最後にメレンゲの半分を加え、軽く混ぜたら、型に流し込む。悶々と吹き上がる蒸器の中、30分弱強火で一気に蒸し上げる。 こんもり盛り上がった浮島を見ながら、冷めるまでじっと味の空想をしていなくてはならない。どんなお菓子かな。 待ち遠しく冷緑茶の氷が光っている。 浮島にほのかな温度を感じる程度まで待ったら、いよいよ切れ目を入れ、ふんわり、しっとり桜味噌の浮島のご賞味。 うん、あの冷煎茶が、この味噌甘塩っぱさをしっかりと記憶させる。何とも言えない懐かしい味の仕上がり。のれん越しにみんなが待っている。 さぁ今日もお茶時間の始まりだ。お味はいかが? |