| 執筆者について 越谷琳久 1.お茶を始めたころ 2.お薄をいただく |
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茶道一期一会
第2回 お薄をいただく 越谷琳久 「茶の湯」は、お茶をいかに美味しくいただくかということに尽きています。 抹茶を一服となるとつい緊張してしまうものですが、亭主は「おいしいお茶をお出ししたい」という一心であって、客に必ずしも型どおりの作法を求めているわけではないのです。お茶の作法は大切ではありますが、それが「茶の湯」の本質であるかというと、ちょっと違うように思います。 お薄をいただく場面を考えてみましょう。 お薄の茶碗が置かれたら、まずは片手で取り上げ、すぐに両手で丁寧に持ちます。お茶の色を見て、香りをかぐようにして一口味わったら、「ありがとうございます」という感謝の気持ちを込めて一礼しましょう。もちろん美味しいと感じたら、素直に「たいへん美味しいです」と感想を述べましょう。亭主が最も嬉しいのはこの時です。 亭主は抹茶の種類や分量、お湯の性質や温度などに心を配ってお茶を点てていますので、その気持ちを受け止めるように、落ち着いてゆっくりいただきます。よく「お茶は三口半で飲む」などと言いますが、別に何口でいただいても構いません。ただし、冷めると味が変化してしまいますので、美味しいうちに最後までいただきましょう。 茶席では、お茶を美味しくいただけるようにお菓子が用意されています。床の間には掛軸や季節の草花が飾られ、席中にはほのかにお香もたかれています。さまざまな道具は見事な調和を見せながらも、それぞれが独自の美を主張していることでしょう。これらはすべて、客へのもてなしの表現に他なりません。 亭主のもてなしを受けて感謝の気持ちが起こりさえすれば、おのずと丁寧で美しい所作が生まれてくるものです。反対にいくら作法を知っていたとしても、その所作に心がこもっていなければ、それはかえって亭主に失礼であるといえます。作法は知っているに越したことはありませんが、それよりも大切なのは感謝の気持ちではないかと思います。 |
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