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 お茶農家 おさむ
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  2.お茶の品種いくついえますか?
ちゃばらへ行こう!
お茶農家 おさむ

第2回 お茶の品種いくつ言えますか?


 「もしもし、青年部の互評会の連絡ですが・・・」と今度ある勉強会の連絡をなが してると「なぁ、二番茶揉んでくれないか、明日さぁ。」と受話器の向こうからの声。

 「えっ、」と言葉に詰まりました。だって自分の家が一番茶が終わってまだ二日しか たっていないのに、もう二番茶なんて言うのですから・・・。

  依頼のあったお茶は、ハウス栽培で4月の10日前後に摘み取られたお茶の二番茶です。たしかに二番茶は一番茶摘採(刈り取り)後約40日で、また摘採できるのですから、通常ならば出てきても不思議ではないんですが、しかし、何か気が乗りません・・・。気が乗らない上に、製造当日に持ち込まれた茶葉は、芽が不揃いで褒められたモノではありませんでした。

 それでも「とりあえずお茶になればいいから、もし駄目なら家で飲むからいいよ。」と言われて、気軽に製造に入ることにしました。

 ところが最初の蒸し工程で、この茶葉から、いつもとは違うかおりが辺りを漂って きたのです。すこし甘酸っぱいなんともいいかおり。今までに嗅いだことのないかお りでした。

  「これ、ヤブキタじゃないでしょ、なに?」と聞きました。すると“さえみどり”との答えが返ってきました。これが“さえみどり”か、と私はしばらく、その甘酸っぱいかおりを楽しんでいました。

  私自身も数年前から、新品種の導入を始めています。“さえみどり”と同時期に登録された“山の息吹”という品種です。

  お茶は新しく畑に植えてから商品にするまで 数年を要するのですが、私のちゃばらの“山の息吹”も、今年初めて単一品種で製造ができるところまで来て、その“あじ、かおり”を楽しむことができたのでした。

  “山の息吹”ですが、登録されたばかりで存在すら知られてはいませんが、量産品種であるヤブキタとは違うまろやかな味があるのです。はじめてお出ししたところ、かおりがやや弱いとのご指摘も受けましたが、大方お客さんの評判も上々でした。

  すべてにおいて優等生 というお茶ではありませんが、私好みのお茶なのです。私のところでは、今年からすべての商品を単一品種に変更して販売を試みています。 そしてヤブキタはラインナップにはありません。実に、これからのお客さんの反応が楽しみです。

 このところ静岡県では、新品種が話題に上る事が多いのです。つい最近もテレビで 紹介しているのを目にしましたし、茶市場でも新品種販売コーナーがお目見えしました。県が牽引役になって、新品種の導入を促しているんです。ここ数年で多くの品種 登録がされ次第に関心も高まってきています。“さえみどり”や“山の息吹”もそんな品種の一つなのです。

 ところで皆さんは、いくつお煎茶用の茶葉の品種名をご存知ですか?

  まぁ、ヤブキタは思いつくとは思いますが、後が多分続かないと思います。これは 仕方がない事。だってその他の品種は名をうたって販売されている場合は、ほんと少ないのですから。お茶屋さんは、ヤブキタが一番、消費者ニーズもヤブキタが一番と言います。でも本当にそうなのでしょうか?それ以外の個性的なお茶がたくさんある というのに、そのことが消費者に知らされていないだけなのではないでしょうか。

 確かに、浅蒸し、中蒸し、深蒸しと製造工程の違い、生産地の違い、それとお茶屋 さんのブレンド加減など。いまでも多くのお茶の種類がありますが、でもたいがい茶葉の品種はヤブキタです。新品種が加わることによって、より多様で豊かなお茶の世 界が楽しめるようになるはずです。

 どうして新品種なのでしょうか?新品種だけではありませんが、最近、大規模な製 茶工場が増えてきていて、個々のオリジナリティのあるお茶が陰を潜めています。そんな中でヤブキタ一辺倒ではなくて、他の品種を取り入れて、個性化をすすめるとい うことは、生産者としては摘採時期の分散化、それに伴う茶工場の長期稼動化などを進めるということが狙いとしてありますし、なによりも消費者にたいしては、個性の ある商品(品種)を提供していくということがねらいなのです。“かおり”一つをと ってみても甘いかおり、すっきりしたかおり、爽やかなかおり、など表現も様々です が、品種が違えば”かおり”も違いますから、それに伴い楽しみ方も増えていくこと になるでしょう。

  これは余談ですが、お茶の品種は競走馬の血統と似た所があります。ヤブキタをは じめとして優良品種を交配の片親に用いて行うのです。競走馬も、父方、母方と優秀 な系統を用いて交配させ子馬が生まれています。何か似ているんですよね。なかなか いいモノ(お茶、子馬)が、出来ないところまでも・・・。

 今回のコラムをお読みになってお茶屋さんに、お茶を探しに出掛けてみてはいかが ですか?もしかしたら“品種茶”が有るかもしれませんね。あったら是非楽しんでみて下さい、ヤブキタとは違う“あじ”や“かおり”を。

 そして、もっともっとお茶の葉の種類に興味を抱いてみて下さい。今以上にお茶を 飲むことが楽しく好きになると思いますよ。あっ、忘れていました。製造されてお茶は、後日茶市場で高い評価をされていいお 値段で取引きされたそうです。作った自分も楽しめて満足です。(おさむ)

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