執筆者について
 chacottesさん

1.アフリカからの手紙

2.お茶工場に行く      

3.お茶を買う      

 

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(1) お茶工場に行く


 「chaco、いつも仕事ばっかりで、セグーしか知らないでしょう?前回は4ヶ月もいたのにどこにも行かなかったし。今度の週末、モプチつれてってあげようか?」 「いくいく。」

  フランスから季節労働にやってきて6週間の契約でマリ国はセグーで働いていた私は、現地採用のマリ人、同僚のオマールの提案に飛びついたものの、3日後には計画の変更を余儀なくされた。彼の車の調子が悪く、高地のドライブは不安だというのだ。あのドゴン族の住むというモプチにいけないなんて…

  でも、その代わりに「しかそ」に連れて行ってくれるという。 「しかそぉ?どこそれ?」

  地図によると、バマコの南東。セグーの南。象牙海岸やブルキナファソとの国境の方。

  「ふぅん。で、何があるの?」
  …くだもの、とか…
  「イチゴ、ある?」

 マリとブルキナは、西アフリカでも珍しくイチゴが取れるのである。但し2月だけ。それも数週間に限られている。セグーは一応この国第2の「都市」とはいえ、首都バマコに比べると田舎で、イチゴなんて売っていない。その前の週末バマコに帰っていたオマールにイチゴを買ってきてもらったものの、長旅と梱包の悪さにすっかりつぶれて、とても食べられなかったので泣く泣く捨ててしまったのだ。だってビニール袋にそのまま入れちゃうんだもの…2キロもあった(らしい)のに…そのため、あと10日足らずでフランスに帰るというのに、そしてフランスにはイチゴがあるというのに、イチゴだけじゃなくてフランボワーズだって何だってあるのに、すっかりマリでイチゴが食べたいブームになっていて、毎日ことあるごとに『イチゴ、イチゴ』と連呼していた。だから、『しかそ』にイチゴがあるなら、いってもいいなー、と心から思った。

  でも話を聞くと、シカソ(Sikasso)にはマンゴー、パパイアの類は豊富にあっても、いわゆる『白人用』の野菜果物はないらしい、ということ。 じゃぁつまらないな、と思いつつも、念のために『Routard』(ルタール・ガイド、フランス版『地球の歩き方』のようなもの)で予習することにした。

  シカソ地方:降雨量が多く、マリ有数の農業地帯…

  斜め読みしていると、ある一節が目に飛び込んできた。 「….茶工場…」

  「え?マリで、お茶作ってるの?シカソで?」
  「行く、絶対行く、シカソ。」

  シカソに行かないではフランスに帰れない、とさっきまでとは打って変わり、いきなりシカソ旅行へのモチベーションが最大値に達してしまう、現金なお茶好きの私。

  これはぜったい運命だ、とわけのわからない確信をしながら、週末を迎えた。前回はサヘルのお茶についてのレポートをしたから、今回はお茶工場を取材してお茶リンクに送っちゃうんだもんね、と思いながら、忘れないようにカメラも持ち、出発前からお茶工場と連呼して、オマールにうるさがられていた。

  セグーから3時間。朝7時過ぎに家を出、途中休憩をはさみ昼前にはシカソ市についた。

  なに、シカソって、都会じゃない。きれいなスタジアムもある。お店もあるし。セグーと同じぐらい都会かも。え?しかも携帯通じるの?やだー。 しかも(ちゃんと)話を聞いてみれば、なんと、シカソといえばこの前までマリやっていたCAN(アフリカ・サッカー大会)の開催地というじゃぁないですか。バマコ、セグーに加えあと1ヶ所で試合が行われていたのだが、それがシカソだった(どうもなんか聞いたことのある地名のような気がしていた…何分記憶力が悪いもので…)。じゃぁ、カナルプリュスでも試合の中継してた、ってこと?なんだー、それをもっと早く言ってよ。 納得しつつ、ホテルを探した。CANに向けて沢山の施設がオープンしたはずだから、新しくてきれいな『白人用』ホテルもある、はず、とオマールに言って市内を走り回らせ、ヴィラを改造したこぎれいなホテルに部屋を見つけた。クーラー、バスタブ付きの大きな部屋で1泊3万CFAフラン。300フランか…(あ、でも今は45.73ユーロ)まぁまぁだね。

  オマールは、昼食の後、お昼寝をして、そのあと午後4時ごろから工場に行こうという。 「お茶工場はファラコだからね。涼しくなってから行こうよ。」 運転手は彼なので、強いことはいえない。朝早くから400キロも移動したから多少は疲れているだろうし… 「じゃぁ、お茶は午後ね。たのしみたのしみ。」
                     ( chacotte )

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